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太平洋戦争4(昭和19・20/1944・1945)
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不詳

あの隊長も この友も
壮烈空に 散った花
不覚や俺は まだ生き延びて
椰子の葉陰で 月に泣く
友よ来て見よ 体当たり

ガダル思えば 血の涙
レンネル思えば 悔し泣き
明日は必ず ガダルへ飛んで
玉と砕けん 心意気

敵のグラマン 戦闘機
高角砲の 雨霰
命を的に 戦う我等
大和魂 伊達じゃない
友よ見てくれ 体当たり

あの隊長も あの友も
レンネル島の 沖合いで
壮烈無比な あの体当たり
君等が立てた 勲功を
今ぞ我等が 継いで行く

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「さくら進軍」の譜

咲いた桜が 男なら
慕う胡蝶は 妻じゃもの
征きて咲け 桜花
八紘一宇の 八重一重

明日は初陣 軍刀を
月にかざせば 散るさくら
征きて咲け 桜花
おれも散ろうぞ 花やかに

大和桜の 枝のびて
興る亜細亜に みだれ咲く
征きて咲け 桜花
挙る亜細亜の 朝ぼらけ

狂瀾怒涛に鍛えたる
鉄腕今また翅生えぬ
男の中の男ぞと
見下す眼下雲靡く

筑波山頭朝風に
爆音高く飛びたてば
荒波吼ゆる太平洋
俺の舞台にゃまだ狭い

ウラル アルタイ
手挟んで
コンロ ヒマラヤ
下駄に履き
北シベリアを過ぎ行けば
モスクワにゃ既に数時間

今朝ベルリンの郊外で
ミュンヘンビールに酔い伏すも
一度ハンドル把り持たば
夕べにゃ既に阿見ヶ原

俺も行くから君も行け
狭い下界にゃ住み飽きた
空だ男の行く所
花と散ろうぞ国の為

明日は襲わんワシントン
太洋一気に乗り越えて
ロッキー山を蹴飛ばして
ヤンキーの度肝打ち抜かん
飛行機離陸は 祖国を離れ
金波銀波の波乗り越えて
誰とて見送る人さえ無いが
泣いてくれるはあの娘一人よ

諦めしゃんせわしゃ戦闘機乗りよ
若い命を蕾と散るのよ
何か惜しまん祖国の為に
泣いてくれるはあの娘一人よ

今度逢う日は靖国神社
桜花咲く御庭の先によ
待っておくれよ手柄を立てて
泣いてくれるはあの娘一人よ
腰の短剣に縋り付き
連れて行きゃんせソロモンへ
連れて行くのは易けれど
女は乗せない戦闘機

金も無ければ妻も無い
俺は天下の独り者
どこで散っても悔いは無い
靖国神社の若桜

恋も未練も振り捨てて
行くぞ敵陣殴り込み
学徒海鷲手を取って
靖国神社でクラス会

国の両親恋しくも
愛しあの娘に逢いたくも
そんな未練は振り捨てて
九段の桜に咲く体

赤き血燃ゆる若き日の
夢を抱いて大空に
飛び立つ我等は若桜
春の盛りに散り行かん

君が御楯と選ばれて
明日は栄えある鹿島発ち
雲染む屍と成り果てん
空征く我等は予備学生

愛し貴方の為ならば
好きな餡蜜お汁粉も
断って私は神参り
貴方の武運を祈ります

白いマフラーを首に巻き
飛んで行こうか東京へ
見上げるあの娘の目に涙
ハンカチ振るのも雲の上

惚れてくれるな俺達にゃ
熱も涙もあるけれど
どこで散るやら果てるやら
皇国に捧げたこの体
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